後期高齢者を生きる=ある下山のイメージ

75歳の誕生日を迎えて後期高齢者入りをしたのを機に、そろそろ「下山のシナリオ」を描かなくては、と、思い始めていたところ、下山をイメージさせるある経済週刊誌の記事を思い出した。

 

時季も詳細もはっきりと思い出せないが、JR大船駅前のマンション建設が進み、売り出し広告を見て最初に見学に訪れた人たちがシニア夫婦だったことに、子育て所帯を予想していた販売側を驚かせた。 

ところが、実際の購入者は当初の目論見通り子育て所帯だった事が再び販売側の頭をかしげさせた。

 

記事によれば、見学に訪れたシニア世代の大半が鎌倉の高台の広い敷地に二階建ての家を構え、それぞれが塀に囲まれた1億円から2億円の資産価値を有する高級住宅地の住民だった。 

しかし、いくら高級住宅地といえ、最寄り駅から遠くて、近所に商店街もない高台での暮らしは、体力の衰えを日々痛感させられるシニアには生活用品の調達も、出かける楽しみもままならない。 

もし、大船駅まで徒歩5、6分のマンション暮らしなら、商店街に近いので日常の食品や生活用品の調達も楽だし、気が向けば都心で買物や観劇も楽しめ、何よりも鍵一つで安心して出かけられる気軽さは得がたい。 

また、1億円か2億円で持家を売却できるなら、現金でマンション代金を支払っても、残額で悠々と余生を賄える。

 

しかし、高台の高級住宅の買い手は見つからなかったようだった。

 

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