閑居の窓から=路線バスの光景(5)高齢化社会とバスの遅延

ある日、五反田駅から徒歩で品川に向かう途中、御殿山停車場で都合良くバスが近づいてきたので乗ることにした。

 

ところが、最前列でキャスター付きの買い物バッグを手にした60代後半に見える女性がバスに乗り込む際に「一台バスを間引いたのですか?」と運転手に詰問した。その女性は、かなりの時間停車場でバスの到着を待っていたのであろう。そのいらだちが声音に感じられた。

 

その問に対して運転手は黙って頭を下げてその女性の怒りを鎮めてから、大半が高齢者の乗客一人一人が、強ばった手つきで定期券を取り出して提示し、それを仕舞い、車内の段差で転倒することなく無事に座席に座り終えるまでを見届けてからバスを発車させた。

 

このように、乗客の高齢比率の高い路線バスの運転手は、一人一人の乗客の安全に注意を払うと共に、定刻通りに運行することに神経をすり減らしている。

 

さらには、急速に増えた宅配便で生じる交通渋滞が運行ダイヤの維持を困難にする中で、私はバスの運転手の大変さを懸念する。

 

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