時々、バスの中で見かける二人の女子学生。共に小学校高学年と思える彼女達は、揃って前髪をあげて後頭部で小さなシニョンに纏めていた。
おそらく、彼女たちの母親が丹精込めて結ったシニョンあろうが、襟足が初々しい。
そんな彼女たちはバレエでも習っているのかな、と、勝手に想像していたところ、路線バスが目黒川の裏側に当たる住宅地を抜けて目黒通りに出たときにその解を得た。
目黒通りに面してクラシックな建物が建ち、その建物の前に「東京バレエ団」と「東京バレエ学校」の看板が見えその近くのバス停で二人が降りたからだ。
そういえば、昨年観た演奏と舞踊の映画「ダンシング・ベートーベン」では、ズービン・メーター指揮のイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を背景に、モーリス・ペジャール・バレエ団と東京バレエ団が競演したのだった。
あの映画を観て、これまで演奏だけで馴染んできた「第九交響曲」も、バレエという身体的表現が加わる事で、生き生きとした躍動感が加わる事を実感した。