1979年に誕生した英国のマーガレット・サッチャーを首班とする保守党政権は、それまで続いた高福祉の社会保障政策の維持とそれに伴う社会保障支出の拡大を掲げ、政府部門の経済を削減する為に国営の水道、電気、ガス、通信、鉄道などの事業の民営化を打ち出した。
その噂は、サッチャー首相の民営化株は確実に値上がりして儲かるという下馬評と共に、民営化に伴う公開株は通常の取引とは異なって購入手数料や税金がかからないメリットもあって、当時の日本の投資家の期待を大きく膨らませた。
かくいう私も、お付き合いしている証券会社の女性担当者の勧めを受けて下図のように、BG(ブリティッシュ・ガス)株、千株を1986年(昭和61年)~1988年4月にかけて3回の分割振込で、次いでBP(ブリティッシュ・ペトロリアム)二千株を1988年4月~翌年4月にかけて3回の分割振込で、それぞれ購入した。
もっとも、民営化株第1弾の、確実に大きく値上がりすると下馬評のあったBT(ブリティッシュ・テレコム)株については、証券会社は大口顧客を優先的して、私のようなささやかなOL投資家にはお話がなかったのである。