後期高齢者を生きる=回想(4)超高級ホテルでの投資セミナー

私が2006年1月18日に日本橋マンダリン・ホテルで開催されたBRICs通貨に連動した投資信託をテーマにしたセミナーに参加したのは、当時ホットな話題であったBRICsの経済動向を専門家から聞けるまたとないチャンスであり、かつ、あの超高級なマンダリン・ホテルを訪れる格好のチャンスという二つの動機からであった。

 

マンダリン・ホテルは煌びやかさが抑制されて、シックな豪華さを感じさせた。そして、従業員が良く訓練されているのか、マニュアルで動いているような硬さが見られない。クロークでコートとマフラーを預けて、セミナー会場に入る。広い宴会場はほぼ9割の入りで、一人で参加している30代から40代の女性が数人目に付いたが、大半の参加者は中高年からシルバー層であった。 

テーブルには当日の資料とともに、乳白色の華奢な朝顔形のカップ・ソーサーとお揃いの四角いプレートに、ミルク・バター・チョコレートがタップリのクッキーが3枚セットされており、私が着席すると、すかさず女性スタッフがコーヒーを注いでくれた。つまり、豪華な雰囲気で投資商品説明に耳を傾けるという舞台設定である。

しかし、これらの豪華な舞台設定の費用は投資商品販売価格の他に顧客が支払う販売手数料(当時は投資商品販売価格の3%+消費税)から賄われている。

 

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その投資商品の仕組みは、ドル建てでブラジル、ロシア、インド、中国の通貨にそれぞれ25%投資し、3年後に元金と4カ国通貨の平均上昇率分の収益が償還され、仮に償還時に通貨が大幅に下落しても、ドル建ての元金は保証されるというものであったが、政治のカントリーリスクや為替リスク、エネルギー問題、社会の不安材料などを考えると、なかなか踏み出すのは難しいことも事実で、商品説明の後に退席する人がかなり目立った。

 

私の場合は、申し込み単位が3万米ドル以上という明らかに富裕層を対象としているのが分かってさっさと降りてしまったが、これからの投資は先進諸国だけでなく、東欧、アジア、BRICsを含めた世界規模で考慮する必要があるのというのが分かって勉強になった。 

セミナーを終えた後で穏やかな日和の日本橋界隈をぶらぶら歩いて東京駅方面に向かっていると「号外、号外」の大声がする。久しぶりの号外だなと思って一枚手に入れてみると東証売買全面停止の記事であった。 

 

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