閑居の窓から=「クリムト展」と少年

混雑を避けてGW直前に東京都美術館で開催中の「クリムト展」を観に行った。

 

1995年にウィーンの美術館でクリムトの作品を観た時は、金ピカ装飾の退廃画家の印象しか残らなかったが、今回、作品群をじっくり眺めて、「曲線の名手」、「極彩色遣いの名手」、さらには「風景画の名手」としてのクリムトを改めて感じた。

 

ところで、中高年男女が高い比率を占めるその会場で、母親に連れられた7,8才の少年が手にしているA4版のタブレットに私の目は惹きつけられた。 

そのタブレットには、一気にペンを動かしたと思われる一筆書きの曲線が描かれていた。 

どうやら彼は目前のクリムトの作品に触発されて、思わず手が動いたのであろう。

私は彼のタブレットを眺めながら「良い線が描けているね」と言った。

 

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